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「仕事がおもしろくない」という部下へのアドバイス

 

 

私たちが、自分の人生の中で、仕事に使う時間は膨大です。その仕事がおもしろいか、楽しいかは重大な問題です。

そして、モチベーションの観点からも、仕事を楽しんでいると結果を出しやすいので、やはり楽しさは重要と言えます。しかし、現実には「仕事が楽しいです」と答える人は、あまり多くありません。

仕事はおもしろく楽しくすることはできるのでしょうか。

菊入 みゆき (きくいり みゆき)

菊入 みゆき
ワーク・モチベーション研究所 所長
モチベーションコンサルタント

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「おもしろい」けど「楽しくない」 

ある製造会社で中間管理職として仕事をする男性は、「仕事はおもしろいけど、楽しくはないです」とコメントしました。課題を追及したり、何かを解決したりするおもしろさは感じるが、笑ったり浮かれるような楽しさはないという主旨でした。そういうケースもあるだろう、と納得しました。

幸福感の研究では、幸福には2種類があるという説があります。1つは、快楽の幸福、もう1つは、人として良く生きる幸福です。前者は、快楽を得て苦痛を回避できている状態であり、後者は、人格的に成長したり、人生における目的を持って過ごしたりしている状態を言います。「仕事はおもしろいけど、楽しくはない」という前述のコメントは、2つの幸福の概念に近いことを言っているようです。仕事において成長したり、目的を持って取り組むおもしろさを感じるが、苦労やストレスも多く、快楽の感情を持つことは、時間にすると短い、ということなのでしょう。

いくつかの研究で、どちらの幸福も人生において意味があるとされています。仕事においてもやはり、楽しさと、おもしろさ(成長や目的)の両方が必要と考えられます。

営業担当者の仕事のおもしろさ、楽しさ

先日、友人からこんな話を聞きました。仕事で調査などをお願いしている会社の営業担当者が異動になり、新しい担当者になったそうです。新担当を仮にBさんとします。Bさんは、なかなか打合せに来てくれず、また数少ない打合せでも、事務的なやりとりが中心で、友人が相談したいと思う課題や悩みを話す状況になりません。以前の担当者は、課題や悩みを聞き、それにあった提案をしてくれたために、様々な仕事を依頼していました。しかし、担当がBさんになって以来、その会社に依頼する仕事は激減したそうです。

このエピソードは、「営業のスキルって売上に大きな影響を与えますね」という、よくある話でもあります。が、一方で、Bさんの仕事のおもしろさ、楽しさの問題として見ることもできます。

Bさんの心情を想像するに、「まったく仕事っていうのは、辛いことばかりだ。おもしろくもないし、楽しくもない」というところではないでしょうか。顧客とのやりとりは無味乾燥ですし、顧客とともに何かに取り組んだり挑戦したりということもありませんから、成長もできません。そしてその結果、売上を落としたことで上司に叱られたり待遇などに悪影響があったりで、快楽はもちろん得られず苦痛を感じています。

おもしろくする、楽しくする

Bさんが、もし顧客と打合せの機会を持ち、「どのような課題をお持ちですか。教えてください」と、一歩踏み込んでいたら、どうだったのでしょうか。上司から、そうアドバイスをもらっていたとしたら? あるいは、上司に相談したり、状況の共有をして、顧客との接点を増やしていたら? 少なくとも、顧客の課題についてもっと深く考えたり、新しい提案を考えたりしていたでしょう。その結果、自分の成長や仕事の目的などのおもしろさを感じたでしょう。それが続けば、顧客から感謝されたり、結果が出て満足したりという快楽もついてくるかもしれません。

他人のことなので、このように分析できますが、我が身を振り返ってみると怖くもあります。私たちも、知らないうちに、自分でおもしろさ、楽しさから遠ざかっている可能性があります。また、上司として、部下が仕事のおもしろさ、楽しさを感じなくなっていくのを、みすみす見逃しているのかもしれません。

環境要因、マネジメント要因

仕事のおもしろさ、楽しさの原因は、もちろん、個人とその上司にだけあるのでありません。組織の中に、成長を促進するような教育システムがあるか、従業員が納得できる評価制度があるかといった環境要因も重要です。こちらも見直す必要があります。

そして、自分自身のこと、および上司としての部下指導については、上記のように、いますぐ振り返ることができます。自分と部下の仕事のおもしろさ、楽しさを減らしていないかを考えてみましょう。できることはあるはずです。

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