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ベテラン部下の動機づけ~経験による知恵を武器に

 

 

先日行ったある企業様向けのリーダー養成研修の中で、受講生の方からこんな質問が上がりました。「定年まであと数年の男性部下のモチベーションをどう高めたらよいでしょうか?私自身は女性だが、男性にはプライドもあるだろうし、どうマネジメントしたら良いかが難しいのです」。
 

いま、多くの企業では40代、50代が多い、逆三角形型人口ピラミッドの年齢構成になっており、若い世代に権限移譲をすることで、若い世代が年上部下を持つ、ときに過去上司だった人が部下になるといったケースも増えていますが、若手に権限移譲をしても一番のボリュームゾーンである、45~50歳代の活躍なしに、企業は立ち行かず、また周囲の影響も大きいだけに、マネジメント方法に悩まれているケースも多くみられます。

 

 ベテランの部下に活躍してもらうのが難しいと「捉えてしまう」のには、いくつかの理由があり、本人も、マネジメントする側も思い込みの罠に嵌ってしまっていることが多くあります。そして、マネジメント側が持っているその思い込みそのものが、部下のやる気を下げるのに貢献してしまっている可能性があります。

 

例えば、
「あと数年で定年なのだからやる気が起こらないのも当たり前だ」
「年を取ってくると頭が固くなる」
「昔のやり方に慣れており新しいやり方を学習するのは無理だ」
「年下の部下の言うことなど聞きたくないに違いない」
これらは本当にそうなのでしょうか?

 

残す数年を目一杯活躍し、成果を上げて卒業しようという人もいますし、年をとってもなお柔軟な考え方をする人もいます。

 

ある研究結果によると、パソコンや言語など、新しいことを学習する知能を『流動性知能』と言いますが、この知能の値は30歳代をピークに60歳まで変わらず、60歳を過ぎてから急速に落ち始めると言われています。また、判断力、理解力などで過去に習得した知識や経験をもとに様々な状況に対処する能力を『結晶化知能』と言います。これは60歳代までずっと上昇を続け、60歳を超えてからようやく下がり始めますが、80歳代でも20歳代と同程度の知能レベルとなります。ここからいえることは、40代、50代は新しいことを習得し、結晶化した知恵を用いていくのに最も適した知能を持つ年代だということです。この世代が新しいことにチャレンジせずして何とする、ともいえそうです。

 

ベテランの方に対するアプローチ方法としては、まずマネジメント側が先の思い込みに捉われないことと、とにかく「頼りにすること」をおすすめします。今は時代が変わったし・・・と思われることも多いですが、ベテランの方が経験してきたことから編み出される知恵は今昔変わらず組織にとって宝であるはずです。ベテラン自身が持っている思い込みを、管理職が外すよう働きかけるのも良いでしょう。

 

「管理職はメンバーよりも偉い」という考え方も呪縛を生みます。管理職とメンバーを上下でなく並列関係ととらえ、管理職はマネジメントという一つの役割を担うと認識する、またこの考え方をメンバーにも共有するのもよいと思います。メンバーには当事者意識が生まれやすくなります。マネジメントの役割は、メンバーが存分に活躍できる環境を整えることでもあります。どうしたら、ベテランも思い切り活躍してもらえるのかを考えてみる、そして、ベテラン本人にも管理職自身が「活躍してもらう環境を整えたい」と思っていると伝えてみるのも一つの手です。

 

日本企業の多くは、役職から外れると給与が下がる、また定年を過ぎると同じ業務でも給与が激減するという制度になっており、ここも改変を急ぎたいところですが、少し時間もかかることですので、現場は現場でできるところからやっていく、というのが望ましいといえそうです。

 

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野本 明日香
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