お知らせ

マネージャーに求められる「前提マネジメント力」とは

 

 4月、ビジネスカレンダーで新年度の会社においては、

前年度の振り返りとともに、新年度目標・計画策定に多忙な管理者も多いことと思います。

 

 自部門の1年を振り返ってみると、

組織開発事業では理念・ビジョン・ダイバーシティといったテーマでのご依頼が増えたとともに、人材開発事業ではマネージャー層の育成に関するご依頼が増えた1年でもありました。

 

 様々なマネ-ジャーにヒアリングしたり、研修やワークショップでお会いしてきた中で、優秀なマネージャーの特徴として実感したことでもあり、今後ますますマネージャーに必要とされるマネジメントスキルと思えたのが「前提マネジメント力」です。

 

 ここでいう「前提」とは与件、条件、目的、目標、常識、ルール、暗黙、場、等の広義で意味しており、「前提マネジメント力」とは、そういった「前提」を自部門の部下・後輩はじめ様々なステークホルダーと共有・調整・設定する力のことを指しています。

 

 ここでは営業会議における「暗黙」を変えた営業マネージャーAさんの例をご紹介したいと思います。
 Aさんが進行を務める前の営業会議は、営業好調者は成績好調理由のみを発表し、営業不調者は不調理由のみを発表する形態でした。各人の発表内容に対しては、営業部長が何か特異なことがあればフィードバックするのみで、他の参加者からフィードバックすることはほぼありませんでした。多くの方はその発表形態自体に大きな違和感を感じておらず、そのような発表形態は「なんとなく」定着し、営業会議における発表スタイルの基本形と皆が認識するようになっていました。

 

 Aさんはそんな営業会議に問題意識を持ち、自身が進行を務めるようになってからは、会議の最初にアイスブレークをいれるようにしました。アイスブレーク担当は会議毎に変え、あえて営業不調者に依頼をすることもありました。実際アイスブレークで大きな笑いをとれる時もあれば、そうでない時もありますが、とれない時はとれないなりの笑いや突っ込みが発生し、アイスブレーク後の営業成績報告・共有の発表形態にも変化が生じていったそうです。

 

 具体的には、各人の発表に対して、営業部長以外からのフィードバックが自然発生するようになりました。前段のアイスブレークでの笑いやいじりといったやりとりが先んじて行われているので、成績不調者に対してフィードバックしやすい環境ができていることが影響しています。他の営業メンバーから有益な情報提供や助言がなされるようにもなりました。

 

 またAさんから成績不調者に対しては、不調な中でもうまくいっていることや他メンバーも参考になるような取り組みを引き出すような質問が多くなされました。これにより成績不調者も1時点の結果に委縮することなく、堂々と営業活動について発表するようになりました。

 

 こういったアイスブレークからはじまる営業会議を繰り返す中で、成績不調者の発表においても、成績不調理由だけでなく、うまくいっている取り組みもあわせて発表する等、営業結果とその理由だけを発信するだけの会議から、営業プロセスにおける好取組を相互共有しあうような会議に変わっていったそうです。

 

 上記はAマネージャーの営業会議における改善事例の話ではありますが、そのポイントは、営業会議はまじめに(=固い雰囲気で)やらなければいけない、普通アイスブレークなんてやらない(やってはいけない)という思い込みやある種の暗黙がこの会社にあった中、営業会議の冒頭にアイスブレークを行ったこと自体が、Aさんの前提マネジメント力だと私は捉えています。

 

 企業経営を取り巻く環境は厳しく、またダイバーシティ経営が加速されていく中、こういった前提マネジメント力の高いマネージャーが企業内により求められていくのではないでしょうか。

 

 

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伊藤 太陽
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